伝説の映画会社トロマとは!?

トロマ・エンタテインメントは、ロイド・カウフマンとマイケル・ハーツが74年に設立した映画製作配給会社。ニューヨークを拠点に約40年にわたってハリウッドの大手が扱わない過激な題材のアクション、ホラー、コメディの傑作、怪作、珍作…を製作すると同時に、世界各国の新しい才能を発掘して世に送り出してきた米国映画史上最も長寿なインディペンデント系映画会社のひとつ。作品の中心となるのは社長のロイド・カウフマン監督作で、84年の『悪魔の毒々モンスター』は日本を含む世界各国で大ヒットしてカルト・ムービーとなりトロマの名を世界に広めた。日本では87年の同作公開以後、同社の製作、配給作品の多くに“毒々”の称号がつけられている。80年代後半から90年代にかけ、日本では『悪魔の毒々モンスター』や『悪魔の毒々ハイスクール』シリーズを中心に100本近くのトロマ作品が劇場公開、あるいはビデオ発売され一大ブームを巻き起こした。
あれから四半世紀、トロマはさらにパワフルでラジカルな活動を続け、世界中に熱狂的なファンを増加させている。

もう1人のB級映画の帝王ロイド・カウフマンとは!?

ロイド・カウフマン Lloyd Kaufman

1945年12月30日ニューヨーク州ニューヨーク市生まれ。64年にイェール大学に入学し、中国研究を専攻。同窓生にはオリバー・ストーンとジョージ・W・ブッシュがいた。66年には平和部隊に参加してアフリカのチャドで1年間過ごすなど在学中に様々な体験をする中、映画狂のルームメイトの自主映画製作を手伝ったことから映画に目覚め、自らも在学中に2000ドルの予算で66分のコメディ映画『THE GIRL WHO RETURNED』(69)を撮った。大学卒業後、ジョン・G・アヴィルドセン監督の『ジョー』(70)や『泣く女』(71)の製作アシスタントなどをしながら、自らの製作、監督、脚本、編集、音楽、主演による第2作『マイ・クレイジー・アメリカ』(71)を発表。74年に大学在学中に知り合った2年後輩のマイケル・ハーツとともにトロマ・インクを設立。創成期にはルイス・スー名義を使い『淫売ポルノ/ダーティ・スワップ』(75)などのX指定のポルノ映画を大小映画会社の下請けとして製作、監督していたが、彼らにまったく利益還元がされなかったため、自ら配給や海外セールスにも乗り出すようになる。79年、R指定のセクシー・コメディ『スクイズ・プレイ/恋の一発大逆転』が30万ドルの製作費で800万ドルの興収をあげて業界で話題となり、同種のセクシー・コメディを連作して業績を伸ばしたが、他社がそれを真似た作品を量産し始めたのを見るや、彼らのコメディ・スタイルに当時注目を集めていた特殊メイクを駆使したホラー要素を加えた『悪魔の毒々モンスター』(84)を発表、それが世界的な大ヒットとなってトロマは完全に軌道に乗り、カウフマン自身も極めてユニークな気鋭の映画作家として注目されることになる。(88年の『悪魔の毒々プラトーン』までは監督作にサミュエル・ウェイル名義を使用していた)
監督としてコンスタントに作品を発表する傍ら、プロデューサーとして『サウス・パーク』のトレイ・パーカーや『スリザー』のジェームズ・ガン、『FATHER’S DAY』のアストロン6など、数多くの新しい才能を世に送り出し、また製作に関わった『ロッキー』(76)、『ファイナル・カウントダウン』(80)をはじめ、『スリザー』(06)、『GAMER』(09)、『スーパー!』(10)、『ストリッパー・ゾンビランド』(11)、自らの監督作『チキン・オブ・ザ・デッド/悪魔の毒々バリューセット』(08)など、200本以上の映画に個性的な俳優として出演もしている。
最新監督作は『悪魔の毒々ハイスクール』(86)のリ・イマジネーション的続編となる『RETURN TO NUKE’EM HIGH』。現在67歳のカウフマン。「もう1人のB級映画の帝王」としてロサンゼルスを拠点にするロジャー・コーマンと並び称され、若い映画人に尊敬されているインディペンデント映画界の伝説的人物である。

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